進退伺いは、重大な問題や責任の発生時に、自らの責任を認めたうえで会社に処遇判断を仰ぐための重要な社内文書です。
特に、プロジェクト失敗・情報漏えい・不正の見逃し・体調不良による業務継続困難といったケースでは、通常の報告書や始末書とは異なり、より重い意味を持つ文書として扱われます。
このページでは、実務で使いやすい進退伺いのWordテンプレート4種類を掲載しています。
あわせて、書き方のポイント、各テンプレートの違い、文面を調整する際の注意点も解説しているため、状況に応じた適切な文書作成に役立ちます。
進退伺いとは
進退伺いとは、自身の責任が重大であると認識したうえで、今後の処遇や身の処し方について会社の判断を仰ぐ文書です。
単なる謝罪文や反省文ではなく、責任の明確化・謝罪・処遇判断の委任という要素を含む点に特徴があります。
社内で用いられる類似文書には、始末書・顛末書・念書などがありますが、進退伺いはそれらよりも重い意味合いを持つことが多く、提出にあたっては文面の慎重な作成が求められます。
進退伺いが必要になる主なケース
- 重要案件の失敗や重大な損失発生
- 情報漏えいや機密管理上の重大事故
- 不正行為の見逃しや監督責任の問題
- 心身の不調による業務継続困難
- 管理者としての責任が問われる重大事案
これらのケースでは、事実の説明だけでなく、自身の責任認識と会社判断への服従意思を明確に示すことが重要です。
進退伺いの基本構成
進退伺いは、次の流れで作成すると、内容が伝わりやすくなります。
1.事案の概要
どのような問題・事態が発生したのかを簡潔に記載します。
2.謝罪と責任認識
関係者への謝罪とともに、自身の責任を明確にします。
3.原因の整理
認識不足、管理不備、判断ミスなど、主要な原因を記載します。
4.現状対応
調査協力、再発防止、引継ぎ、休養など現在の対応状況を示します。
5.進退判断の委任
自らの進退について会社の判断を仰ぐ姿勢を明記します。
テンプレート1|プロジェクト失敗・重大損失に関する進退伺い
重要プロジェクトの中止、大幅遅延、損失発生など、管理責任が問われる場面に適したテンプレートです。
責任者としての立場を踏まえ、進行管理不備・判断ミス・損失責任を明確に示せる構成になっています。
向いているケース
- プロジェクトの中止
- 納期遅延や大幅な予算超過
- 経営判断に影響する重大な失敗
- 管理職・責任者による責任表明
カスタマイズするとすれば
- プロジェクト名や期間を具体的に記載する
- 損失の内容を「信用失墜」「取引影響」など実態に合わせる
- 辞表提出の有無を会社方針に合わせて調整する
- 再発防止策への協力意思を加える

進退伺い
このたび、私が責任者として担当しておりました○○プロジェクトにおいて、計画の遂行不備および進行管理の不徹底により、当初の目標を達成することができず、結果としてプロジェクトの中止(または大幅な遅延・損失発生)という重大な事態を招きましたことにつき、ここに深くお詫び申し上げます。
本件は、市場動向の見通しの甘さに加え、リスク管理および進捗確認体制の不備、さらには関係部門との連携不足など、複合的な要因が重なった結果ではございますが、その最終的な責任はプロジェクトを統括する立場にあった私に帰するものであると痛感しております。適切な判断と迅速な対応ができなかったことを重く受け止め、深く反省しております。
また、本件により会社に経済的損失を与えるとともに、関係各位の信頼を損なう結果となりましたことは誠に遺憾であり、管理者としての責務を十分に果たせなかったことに強い責任を感じております。
現在、関係各所に対する対応および再発防止策の整理を進めておりますが、本件の重大性に鑑み、自らの進退についても厳粛に受け止めるべきであると判断いたしました。
つきましては、本件に関する一切の責任を負う覚悟のもと、会社のご判断に従い、いかなる処分につきましても異議なく受け入れる所存でございます。併せて、ここに辞表を提出いたしますので、今後の進退につきご指示を賜りますようお願い申し上げます。
以上
※ セキュリティアプリの動作環境で作成しています。
※ 日付・六曜など確認はしていますが、自己責任でご使用ください。
テンプレート2|情報漏えいに関する進退伺い
機密情報の漏えい、誤送信、管理不備など、信用問題に直結する重大事案に対応したテンプレートです。
謝罪だけでなく、情報管理意識の不足や確認体制の不備といった原因認識も盛り込めます。
向いているケース
- 顧客情報の誤送信
- 社外秘資料の漏えい
- 個人情報管理ミス
- セキュリティ事故に伴う責任表明
カスタマイズするとすれば
- 「情報漏えい」の範囲を社内規定に沿って表現する
- 現在の調査状況や協力姿勢を追記する
- 被害拡大防止への対応を簡潔に加える
- 断定表現を避けたい場合は「管理上の不備が疑われる」などに調整する

進退伺い
このたび、令和○年○月○日頃に発生いたしました情報漏えい事案につきまして、私の管理不行き届きにより、社外へ漏えいしてはならない機密情報を適切に取り扱うことができず、結果として重大な事態を招きましたことを、深く反省するとともに、心よりお詫び申し上げます。
本件は、情報管理に対する認識の甘さおよび確認体制の不徹底に起因するものであり、会社の信用を損なう結果となりましたことを、極めて重大に受け止めております。また、関係先ならびに社内各位に多大なるご迷惑とご心配をお掛けしましたことについて、責任の重さを痛感しております。
本来であれば、機密情報の取り扱いについて厳重な注意を払い、漏えいを未然に防ぐべき立場にありながら、このような結果を招いたことは、弁解の余地もなく、すべて私の不徳の致すところでございます。
現在、事実関係の確認および影響範囲の把握が進められているところではございますが、私自身も調査に全面的に協力し、原因の究明および再発防止に誠意をもって取り組んでまいります。
しかしながら、本件の重大性に鑑み、私の責任は極めて重いものと認識しており、会社に対して多大なる損害と信頼低下を招いた以上、自らの進退についても真摯に向き合うべきであると考えております。
つきましては、本書をもって進退伺いを提出させていただきます。いかなる処分につきましても異議を申し立てることなく受け入れる所存でございますので、今後の処遇につきましてご指示賜りますようお願い申し上げます。
以上
※ セキュリティアプリの動作環境で作成しています。
※ 日付・六曜など確認はしていますが、自己責任でご使用ください。
テンプレート3|不正行為の見逃し・監督責任に関する進退伺い
部下や担当業務内で起きた不正行為を見逃した場合など、監督責任・管理責任を問われる場面向けのテンプレートです。
自らが不正を行った場合ではなく、適切な是正措置を取れなかった責任を示す文面として使いやすい内容です。
向いているケース
- 不正経費処理の見逃し
- 業務不正の監督不備
- 内部統制上の不備
- 管理者としての危機管理不足
カスタマイズするとすれば
- 見逃した内容を具体化する
- 「兆候を把握し得た」か「確認不足で発見できなかった」かを調整する
- 再発防止のための監督体制強化に触れる
- 辞表同封文言を残すか削るか社内事情に応じて選ぶ

進退伺い
このたび、私が担当しておりました業務において発生した不正行為を見逃し、適切な是正措置を講じることができなかった結果、会社に重大な影響を及ぼす事態を招きましたことにつき、ここに深くお詫び申し上げます。
本件は、本来果たすべき監督責任および確認体制が十分に機能していなかったことに起因するものであり、異常の兆候を把握し得たにもかかわらず、早期の対応を怠った私の判断力および危機意識の欠如によるものであると痛感しております。いかなる理由があろうとも弁解の余地はなく、その責任はすべて私にございます。
また、本件により、会社の信用を著しく損なうとともに、関係各位に多大なご迷惑とご心配をお掛けしましたことは誠に遺憾であり、管理者としての職責の重さを改めて痛感しております。
現在、事実関係の整理および再発防止に向けた体制強化の検討が進められておりますが、まずは自らの責任を明確にすることが最優先であると考えております。
つきましては、本件の重大性に鑑み、会社のご判断に従い、いかなる処分につきましても異議なく受け入れる所存でございます。併せて、ここに辞表を提出いたしますので、今後の進退につきご指示を賜りますようお願い申し上げます。
以上
※ セキュリティアプリの動作環境で作成しています。
※ 日付・六曜など確認はしていますが、自己責任でご使用ください。
テンプレート4|ストレス・体調不良による業務継続困難に関する進退伺い
不祥事型ではなく、心身の不調やストレスによって業務継続が難しい場合に用いる進退伺いです。
謝罪や反省よりも、現状報告・業務継続困難の説明・会社判断への委任を重視しています。
向いているケース
- 強いストレスによる業務継続困難
- 心身の不調による職務遂行の難化
- 休職・退職・配置転換の判断を仰ぎたい場合
- 管理職や責任者が自ら進退判断を申し出る場合
カスタマイズするとすれば
- 「体調」「精神的負担」「ストレス」の表現を状況に応じて調整する
- 医師の診断書提出予定がある場合は記載を追加する
- 退職前提ではなく休職相談寄りにするなら文面を穏やかにする
- 会社に委ねる表現を強めるか、希望を添えるか調整する

※ セキュリティアプリの動作環境で作成しています。
※ 日付・六曜など確認はしていますが、自己責任でご使用ください。
文面をカスタマイズする際のポイント
進退伺いは定型文をそのまま使うのではなく、実際の事案に合わせて調整することで説得力が高まります。
特に次の点を見直すと、より実務に適した文面になります。
- 発生日・対象期間・案件名などを具体化する
- 自身の立場(責任者、管理者、担当者)を明記する
- 損失や影響を実態に合わせて表現する
- 辞表同封の有無を社内運用に合わせる
- 情報漏えい・不正などは調査状況に応じて文言を慎重に調整する
- 体調不良型は不必要に不利な断定表現を避ける
進退伺いと他の社内文書との違い
進退伺い
処遇判断や進退について会社に委ねる文書。重大案件向け。
始末書
問題行為やミスに対する反省と謝罪を示す文書。
顛末書
発生した事実や経緯を報告する文書。
念書
再発防止や規則遵守を誓約する文書。
この違いを理解したうえで、状況に最も適した文書を選ぶことが重要です。
まとめ
進退伺いは、重大な問題に対して責任を明確にし、今後の処遇について会社の判断を仰ぐための重要な文書です。
特に、プロジェクト失敗、情報漏えい、不正の見逃し、体調不良による業務困難など、状況によって文面の重点は大きく異なります。
このページのテンプレートを活用することで、状況に応じた進退伺いを適切に作成しやすくなります。
社内提出前には、自社の就業規則や提出先、辞表の扱いなどを確認したうえで、実情に沿った文面に調整してご利用ください。
ダウンロードについて
このページで紹介している進退伺いテンプレートは、Word形式でダウンロードして編集できます。
提出先、案件名、発生日、事案内容、処遇文言などを実情に合わせて調整し、社内規程に沿ってご利用ください。
▶ Wordテンプレート1(プロジェクト失敗・重大損失に関する進退伺い)の無料ダウンロード
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